基礎知識を学ぼう!

プラスチック製容器包装って何だろう?

容器包装とプラスチックの種類

(1)プラスチックの種類

プラりん

プラスチックの種類は、100種類以上あり、それぞれ、電気を通さない、水や薬品等に強い、腐食しにくい、燃えやすい、燃えにくい、酸素や水を通さないなど、様々な特性をもっています。

(2)容器包装に使われるプラスチック

プラりん

容器包装に使われる主なプラスチックの材質は約10種類で、飲料ボトルにはポリエチレンテレフタレート、レジ袋には高密度ポリエチレン、各種の包装用フィルムやごみ袋には低密度ポリエチレン、包装用フィルムや総菜など各種容器にはポリプロピレン、食品トレイにはポリスチレン、酸素や水分などを防ぐ用途として塩化ビニリデン、エバール樹脂、ナイロンなどが使われています。
容器包装に使われるプラスチックには、中身製品の特性などに応じた様々な機能が求められます。たとえば、中身製品が食品の場合、酸素や水分などを通さない、食品の腐敗を防ぐ、熱を遮断して鮮度を守るなどの機能が求められます。
様々な種類のプラスチックの特性を活かし、多様な方法で成形加工して、中身製品に適した容器包装が作られています。単一材質では充分な機能を発揮できない場合には、複数の材質を使って求められる機能を付与します。

表 容器包装に使われるプラスチックの種類と特徴・用途

容器包装に使われるプラスチックの種類と特徴・用途

出典:「こんにちは プラスチック」日本プラスチック工業連盟

(3)プラスチック製容器包装の種類と作り方 

プラりん

プラスチック製容器包装には、ボトル、トレイ・パック類、フィルム、袋類、ラップ、発泡品など様々な種類があります。さらに、同じ形態でも印刷や着色されていない透明タイプ、印刷などを付けたタイプ、発泡させたタイプなど、多種多様です。 中身製品の保護や、見た目ですぐ分るデザイン、持ち運びなどに適するなど、使い方に合わせた様々な容器包装があります。 使われる材質も、単一材質タイプ(例えば、ペットボトル、白色トレイなど)や複合材質のものタイプ(例えば、洗剤詰替え用製品パウチ、マヨネーズ容器、歯磨チューブなど)など多種多様です。

(4)プラスチック製容器包装の作り方

プラりん

プラスチック製容器包装の作り方には、射出、中空、インフレーション、押出、真空、発泡など様々な一次加工の方法があり、さらに貼り合せ(ラミネートや共押出など)、印刷、切り貼り、製袋などの二次加工方法と組合せるものも多く、とても複雑です。

プラスチック容器包装の作り方

図 プラスチック容器包装の作り方 (出典:日本プラスチック工業連盟「こんにちは!プラスチック」)

(5)複数の材質を使った容器包装

プラりん

マヨネーズの容器は、酸素等を遮断するバリア機能と中身が見える透明性、使用時の倒立性と押しても戻る復元性などの機能を持った容器です。 このような複数の機能を発現させるために、ポリエチレンを主に3種類のプラスチックフィルムを5層に張り合わせ、それぞれの材質の特性を組み合わせて作られています。この機能をポリエチレンだけで作ると、フィルムの厚みが約50倍になってしまいます。 複合材にすることにより、容器包装としての複数の役割を果たすと同時に、プラスチックの使用量を削減する効果があります。
プラスチック製容器包装には、複数の材質を使ったものが多くあります。それぞれの材質特性を活かして、プラスチックの使用量を少なくし、かつ安価で要求された機能を発揮するために、各種の材質を組み合わせています。

複数の素材を使った容器包装―マヨネーズの容器の例―

図 複数の素材を使った容器包装―マヨネーズの容器の例―