未来に向けて

プラスチック容器包装の資源循環・リサイクル活動

プラスチックの資源循環にむけた取組み課題

これからのプラ容器包装のリサイクル:プラ推進協の取組み

 プラ循環法の施行後、産業界では、関連業界・事業者での様々な取組みが活発化しているが、ここでは、プラ推進協議会が取組んでいる資源循環・リサイクルの4つの実証取組みを紹介します。

 実証事業の概要は下記のとおりです。

1.令和4年度補正資源自律に向けた資源循環システム強靭化実証事業:ソーティングセンターを核としたプラスチック使用製品廃棄物の水平リサイクルシステム実装可能性調査に参画(経産省・実証事業)

 本調査は、自治体が一括回収したプラスチック容器包装(容リプラ)とプラスチック製品(製品プラ)の水平リサイクルの鍵となる高度な機械選別を行うソーティングセンターの可能性について実証実験を行うとともに、2030年代までの社会実装を念頭に、選別後の物質の高度マテリアルリサイクル及び循環型ケミカルリサイクルを組み合わせた水平リサイクルシステムの将来像を検討する。

2.令和5年度プラスチック等資源循環システム構築実証事業:プラスチック等のリサイクルプロセス構築及び省CO2化実証のうち、リサイクル困難素材等の高品質リサイクル実証事業(環境省・補助事業)

 本実証事業は、容リプラと製品プラを組み合わせて、従来の低品質リサイクル材と異なり、生活用品として利用できる高品質なリサイクル材を開発し、バージン素材を代替するリサイクル材に循環する総合的な材料リサイクルの実現を目指す。このため、リサイクルコンパウンドメーカー、先進的なプラスチック再生技術を大学等が連携して、生活用消費財に利用可能な高品質なリサイクル材開発を行い、原料の確保できる回収・選別プロセス、再生素材を生かしつつ消費者に選択される製品デザイン、その製品の製造・販売戦略までのトータルなプラスチック資源システム構築を目指す。

3.革新的技術・ビジネス推進プロジェクト:粗大ごみ(衣装ケース)の材料リサイクルの実証事業(東京都・支援事業)

 プラスチックの持続可能な利用に向けて水平リサイクル等の高度なリサイクル技術の実装化を目指すプロジェクトとして、自治体が回収する粗大ごみに含まれるプラスチック製品(ポリプロピレンの衣装ケース)を効率的に回収し、材料リサイクルする仕組みについて実証事業を行う。23区・多摩地域の実情に応じた実証実験等を行い、輸送コストの低減やより効率的な回収の仕組み等を検証する。

4.廃ポリスチレンのスチレン・モノマー還元およびポリスチレンへの循環型リサイクルの実証検証(プラ協・自主的実証事業)

 当協議会の会員団体・企業を中心に自主的に回収した使用済発泡スチロール製品等を前処理後、スチレン・モノマーに還元し、バージン同等のポリスチレン樹脂および加工製品に循環する水平リサイクルの実証研究を2021年夏から進めています。2022、2023年は、使用済みEPS魚箱、PSPトレイ(発泡トレイ)を減容等で前処理し、ラボベースで技術確認するとともに、リサイクルポリスチレンを試験的に合成し、実規模を想定した実証検討を進めました。

 また、国の研究機関であるNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発プロジェクトの材料リサイクルおよびケミカルリサイクルのふたつのプロジェクトに参加しています。