未来に向けて

プラスチック容器包装の資源循環・リサイクル活動

仕組みと見通し

一括回収・再商品化など、プラスチック製容器包装・プラスチック製品のリサイクル

 プラ循環法の施行を受けて、容器包装リサイクル法(容リ法)に基づく再商品化・リサイクルに際して自治体では、一般廃棄物の中のプラスチックの容器包装や製品を、プラスチック資源循環促進法(プラ循環法)に基く、プラスチック容器包装(容リプラ)とプラスチック製品(製品プラ)の一括回収と収集後の容リプラと製品プラの再商品化が、2023年度から始まりました。
 プラ循環法で注目されているのが、プラスチック資源循環のために、容器包装や製品など使用済みのプラ使用製品を一括して回収・リサイクルするしくみです。
 プラ容器包装のリサイクルは、容器包装リサイクル法に基づいて、市民は分別排出、市町村は分別収集、事業者は再商品化と各主体の役割が決められている。また、再商品化義務を負う事業者(特定事業者)が、その義務を果たすために、国が指定した法人が(公財)日本容器包装リサイクル協会(容リ協会)で、市町村が分別収集した容リプラの再商品化・リサイクルを担当してきました。

プラ循環法による一括回収・再商品化

プラ循環法による一括回収・再商品化
出典:環境省HP

 2022年度の容リ協会でのプラ容器包装の搬入量、再商品化量は、市町村収集量71.6万㌧、容リ協会引取り量68.2万㌧、再商品化量44.9万㌧であった。
 プラ循環法では再商品化対象が、容器包装に加えてプラ製品に拡大され、市町村は容リプラと製品プラを一括して回収することが役割とされ、2023年度から実施された。
 市町村が収集した容リプラと製品プラは、容リ協会ル―ト(32条ルート)と市町村独自ルート(33条ルート)のふたつのルートで再商品化されることになり、容リ協会は、市町村が分別収集した容リプラに加えて、製品プラの再商品化を32条ルートで、再商品化する役割を担うことになった。
 2023年度の一括回収実施市町村は、32条ルートが35市町村、33条ルートが3市町村で、市町村全体からみると少ないが、各市町村一括回収の実施に向けた検討を進めているが、収集・ベール化など実務や、収集費用の増加等への対応が簡単ではあるようだ。

 このしくみでは、製品プラの収集と再商品化の費用は市町村の負担とされ、市町村では収集・再商品化の費用負担が大きいとして、実施する市町村数が2023年度は38市町村に留まっている。ちなみに2024年度に一括回収を実施する市町村は、2023年12月末現在で、32条が約85市町村、33条が8市町村と推定されている。
 市町村で収集業務の拡大による負担増に対して、国は市町村負担の一部を補助する特定交付金制度を設けている。

 現行の容リシステムによるリサイクルのしくみでは、プラスチックの素材特性に沿って、適切に対応できるリサイクル手法の導入や、入札制度や資源循環に相応しいシステムの構築、社会全体での費用の合理化などの諸課題にどう対応していくかが大きな課題である。

 プラ資源の一括回収・再商品化に関しては、実績や知見、経験のない措置などであり、施行後もPDCAサイクルによる点検、見直しの措置を講ずべき、と指摘する声も多く、関連事業者をはじめ、自治体・行政、市民・NPOなどの関係各主体での相互理解を深めるべく、一層の普及啓発を図る必要があり、経産省、環境省など関係省庁ではHPにプラ資源循環の新たなサイトを解説して、プラ循環促進法に関する概要やPR動画などを掲載している。

2022年容リプラ再商品化実績

2022年容リプラ再商品化実績
出典:(公財)日本容器包装リサイクル協会