基礎知識を学ぼう!

プラスチック製容器包装って何だろう?

プラスチックとは

プラりん

プラスチックという言葉の語源は、ギリシャ語のplastos(可塑性)と言われています。
可塑性とは「粘土のように力を入れると任意の形になり、力を取り除いても形が変わらない性質」という意味です。 可塑性の英訳はplasticityです。

したがって、プラスチックは、加温により柔らかくなって任意の形に成形できる有機高分子化合物の総称といえます。
JIS(K 6900-1994)では、「必須成分として高重合体(有機高分子化合物)を含み、かつ、完成製品への加工のある段階で流れによって形を与え得る材料」と定義されています。

有機高分子化合物は、分子量が1万程度以上の高分子で、天然と合成があります。天然化合物にはデンプン、セルロース、タンパク質、ゴムなどがあり、合成化合物は、ポリエチレン(略:PE)、ポリプロピレン(略:PP)、ポリエチレンテレフタレート(略:PET)をはじめ数種類の化合物があります。
また、プラスチックには、熱を加えた時の性質から、熱可塑性と熱硬化性の大きく2つのタイプに分けられます。熱可塑性プラスチックは、包装用フィルムや日用品の容器、車のバンパーなど広く使われています。熱硬化性プラスチックは、電子レンジで使える食器や電子機器の基盤などに使われています。

熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチック

図 熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチック(出典:日本プラスチック工業連盟

プラりん

プラスチックは、1907年、ニューヨーク在住のベルギー人ベークランドが、石炭から炭化水素物質を抽出して、発明されました。それ以降、短期間でプラスチックの合成技術は進歩し、私たちの生活に欠かせない物質として普及していきました。それは、プラスチックの特性により、紙・木材、金属、ガラス、陶磁器、コルク、天然繊維などの素材を代替して、プラスチックにしかできない役割を果たしてきたからです。

表 各種素材からプラスチックへの代替・その特性

各種素材 プラスチックの特性
紙や木材 優れた耐水性や強度等
金属 軽量化や耐腐食性等
ガラスや陶磁器 軽量化や割れにくさ等
コルクや天然繊維 断熱、緩衝、保温等の特性と発泡技術
プラりん

プラスチックは原油の精製物であるナフサを熱分解して得られたエチレンやベンゼンなどの石油化学基礎製品を基原料に様々な構造が合成され、容器包装や車や家電の部品など私たちの生活に欠かせないたくさんの製品に使われています。

熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチック

図 原油からプラスチック製品になるまで(出典:「プラスチックとプラスチックリサイクル」(一社)プラスチック循環利用協会)