未来に向けて

プラスチック容器包装の資源循環・リサイクル活動

プラスチックの資源循環に関する法律など

 2022年4月にプラスチック資源循環促進法(プラ循環法)が施行され、プラスチックの資源循環に向けた法律が整備されました。
プラ循環法は、資源制約や脱炭素・カーボンニュートラル(CN)など地球規模の環境問題に対する資源循環政策として、プラスチック素材に着目し、製品の設計からプラスチック廃棄物の処理に至るまでの各段階で、あらゆる主体でプラスチック資源循環等の取組み(3R+Renewable)を促進するための法律で、環境配慮設計基準の策定と認定制度、容器包装プラと製品プラの一括回収・再商品化、製造段階で排出するプラ資源のリサイクル、使用段階での12品目の特定プラ使用製品の提供事業者等が取組むべき判断基準など、プラスチックのサプライチェーン全体で3R・資源循環を進める様々な措置が設けられ、その取組みが進んでいます。

 地球温暖化や海洋プラスチックごみ問題等の環境制約や、世界的な資源需要と地政学的リスクなど資源制約の点から、資源の効率的・循環的な利用と付加価値の最大化に向けた循環経済・サーキュラーエコノミー(CE)への移行が進んでおり、経済産業省(経産省)、環境省など関係省庁では、資源循環を進めるための施策を進めています。
 経産省では、資源自律経済戦略の展開に向けて、プラスチック資源循環経済小委員会を2023年9月に設置し、2030年、2050年を目標にした戦略と、具体的な政策の検討を進めています。その一環として、産官学の連携推進のためのプラットフォーム<サーキュラーパートナーズ(CPs)>を設置し、具体的な課題や施策の検討を進めています。なお、CPsには、当協議会も設置当初から参加しています。
 環境省では、2023年9月に、静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会を設置し、2024年3月に資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案を第213国会に提出、廃棄物処理と資源循環政策を推進する法制化を進めています。
 厚生労働省(厚労省)では、薬事・食品衛生審議会 (食品衛生分科会器具・容器包装部会)で、器具及び容器包装の規格基準の改正(既存物質のポジティブリストへの物質の追加)と、食品用器具及び容器包装の原材料に使用される再生プラスチックの衛生管理について審議し、プラスチック再生材を食品用容器包装に使用する際の安全基準を含むプラ容器包装の安全性の確保と運用のしくみを整えました。

 農林水産省(農水省)では、食品産業におけるプラスチック資源循環を促進するため、 プラスチック資源循環に資する自主的取組みの促進のために、 食品産業関連の企業・団体での「プラスチック資源循環アクション宣言」を推進し、 2024年点で106企業・団体が宣言しています。
また、食品産業におけるプラスチック資源循環を促進するため、 容器包装のリデュースの促進によるワンウェイプラスチックの排出抑制を推進し、 環境配慮設計による減量化等の取組が消費者等に理解されるよう、 環境配慮設計に関する情報収集や周知活動等の取組を支援しています。

 さらに、プラスチック汚染問題に関する国際約束交渉委員会(INC)が、2022年11月に設置され、160カ国が参画して、2023年11月までの3回の会合で、海洋プラ問題などプラスチック汚染に対する規制を含む対策が検討され、2024年12月にも取り纏められる予定です。EUなどでの容器包装を含むプラスチックに対する規制の施策が進んでいます。

プラスチック資源循環循の概要

プラスチック資源循環の概要
出典:環境省HP

プラスチック資源循環促進法の概要

プラスチック資源循環促進法の概要
出典:環境省HP

(資源循環小委員会・サーキュラーパートナーズ)
 経済産業省は、総合的な政策パッケージである「成長志向型の資源自律経済戦略」で、成長志向型の資源自律経済の確立に向けて、①規制・ルールの整備、②政策支援の拡充、③産官学の連携の3つの柱で取り組みを進めており、2023年9月に資源循環小委員会を設けて、サーキュラーエコノミー(CE)への移行を進めるための政策検討を始めた。
 この小委員会では、3つの柱について審議していますが、並行して、③の産官学連携によるCEの実現を目指して、CEに関する産官学のパートナーシップ「サーキュラー・パートナーズ(CPs)」を、2023年12月末に立ち上げました。
 CPsには、国、自治体、大学、企業・業界団体、関係機関・関係団体等、約500の主体(2024年3月末現在)が参加しており、単なる情報共有の場ではなく、CEを実践する場にしていく計画で、目指すべきCEのビジョン・ロードマップの策定、2030年、2050年を見据えたCEビジョンの共有や、経済活動・社会活動を循環型に変容させていく資源循環の取組みの同時進行と経済合理性の確保を目指しています。